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2007年2月27日 (火)

学位とDM

DMと言えば、ダイレクトメールを思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、最近の大学の世界ではDMといえば、ディプロマ・ミル(diploma mill)。すなわち、実態のない大学からお金で博士号を買うことを意味しています。これを、学位工場とも言います(イギリスではdegree millといいます)。

DMを通じて、学位を“購入”した有名人には落語家の三遊亭楽太郎や映画評論家の水野晴郎、そして「最高ですか~!」と叫び足裏診断詐欺で捕まった福永某氏などがいます。三遊亭楽太郎は自らDMであることを公表していますが・・・。
DM学位はそれらし~名前の大学で売っています。有名どころでは、ハワイにあるイオンド大学、世界中に支部を持つパシフィック・ウェスタン大学などがあります。これらの大学は政府から認められていない、非公認の学位授与機構なのです。もし、「博士」の肩書きだけが欲しい方がいらっしゃれば、是非とも購入をお勧めいたします(笑)あくまでも、個人的趣味としての世界の話ですが。

日本の大学教員には教員免許等の資格は必要ありませんが、大学設置基準という法令で、教授、助教授、講師の任用基準が示されていて、博士の学位があれば他の条件を満たさなくても教員になれる仕組みになっています(実際には日本の文系大学院では博士号をほとんど出していないので、業績=論文の数等の基準で審査されています)。しかし、昨年以降、日本の国立大学や私立大学で、お金で博士号を買った人が教授になっているとの指摘がなされ、大きな問題となっています。“学術の府”である大学では、当然ながらDM学位は認められず、真の研究業績が問われるのです。

そこで、文部科学省は今年に入り、各大学にDM学位かどうかを見分けるために参考になるサイトのリストを配布し始めました。これは、例えば、全米高等教育機関基準認定協議会等のサイトが列挙されていて、これらの認定を受けているかどうかで見分けるという、いわゆる“ホワイトリスト”です。
文部科学省の対応、今頃になってですか?という印象です。だって、10年以上前からDM学位なんて存在していたのですから。

実は以前の勤め先で新学部設置の準備に携わっていたとき、お調子者の事務局長氏がAさんという方の履歴書を持ってきて「このAさん。アメリカの大学で博士号を取得したらしいんですよ。すごいですね~。ぜひうちの教員にできませんやろか?」と言ってきました。Aさんは自ら売り込みに来たらしいのです。博士号取得機関は聞いたこともない大学名だったので、知り合いの教授に調べてもらったら、実態のない大学でDM学位だということが判明したのです。当然ながら、教員選考リストからは削除されました。

仮にも研究者を自認するのであれば、DM学位に手を出したりせず、地道に研究業績を積み重ねていくことこそ大事であり、それは良識だと思います。しかし、お金で学位を購入する人がいることも事実です。それに対する文部科学省の対応、、、やはり遅すぎますね。

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