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2007年2月27日 (火)

「通常学級」だけが全てか?

県議会:「障害児も通常学級に」 7団体見直し要望書提出/埼玉

 県手をつなぐ育成会など障害者支援7団体が、障害児が通常学級で学ぶ環境整備のため、予算措置や就学指導の見直しを求める要望書を県議会に提出し、県内各市町村に対しても送付した。団体のメンバーは「共に育ち、学ぶ教育、社会をつくっていくべきだ」と訴えている。
 県議会は06年10月、7団体の請願を受けて、環境整備の推進を求める意見書を全国で初めて国に提出した。国連で障害者権利条約が採択されるなどし国会でも議論が活発化。文部科学省は従来の「分離教育」を転換し、「インクルーシブ教育(障害を持つ子どもを受け入れる共生の教育)」を促進する方針を打ち出した。同12月には、小中学校でさまざまな障害がある児童生徒の介助や学習支援を行う「特別支援教育支援員」を、08年度までに全国に3万人配置する計画を都道府県に通知している。
 7団体は23日、県議会議長と各市町村に要望書を出し、支援員配置が予算化されるよう求めた。また、児童生徒が盲・ろう・養護学校に通うべきか、通常学級に通うべきかを判定する各市町村の「就学指導・支援委員会制度」が、共生の流れに逆行して分離教育を助長しているとして、制度を規定する学校教育法施行令の改正を求めている。
 要望書提出後に記者会見した、教育の欠格条項をなくす会の木村俊彦・事務局員は「希望する子どもは通常学級で受け入れるよう環境を整備すべきだ。みんなが手を差し伸べ合う社会が求められている」と話した。
   ◇   ◇
 7団体の代表から要望書を受け取った田島敏包・県議会議長は、難病対策や障害者の就学・雇用などに取り組む超党派の議員連盟「福祉行政の研究・行動する議連(仮称)」を発足させる考えを示した。「福祉の現場に足を運び県政に提案する、実働的な議連にしたい」としている。県議選後に招集される6月定例会で当選議員に呼びかけるという。
(「毎日新聞」2月25日)

インルーシブ教育は当然の流れだと私も思います。しかし、ただ「一緒に学ぶことがいい」と言うだけでは、障害がある子どもの教育保障は実現できません。
国は教師とともに授業を補助する支援員の増員を計画していますが、予算化を求められている自治体の財政が厳しい状況にあるだけでなく、「支援員」の資質がほとんど問われていないため、障害のある子どもに合わせた「支援」が実現できない現状もあります。もちろん、支援員の増員自体は歓迎されるべきものですが。

記事にある就学支援委員会制度についても、委員会の判定は保護者への「助言」に過ぎず、最終的な判断は保護者がすることになっています。既に形骸化しているのです。それよりも、保護者が我が子の障害をどのように受け止めているのか、にも大きな問題があります。明らかに何からの支援が必要な子どもを抱えながら「我が子のことは親が一番分かっている。うちの子どもには何の障害もない!」と「助言」を門前払いする保護者もいます。障害を認めたくないのは理解できます。しかし、子どもの健全は発達を考えるのであれば、その子どもの正しい状態と最善の教育とは何かは検討する必要があると思います。検討の結果が通常学級でも構いませんが、正しく受け止めようとする姿勢は求められます。

ただし、現状の通常学級が障害のある子どもにとって最善の教育の場になっているのかは別問題です。だからこそ、「環境整備」は求められます。その環境整備が図られていない段階にもかかわらず「今すぐ何が何でも通常学級に」という考えに拘るのはどうかとも思います。

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コメント

マンデリンさん、こんにちは。
いつもコメントをいただいているのに、
コメントさせていただくのは初めてかも知れません。
すみません。

インクルーシブ教育はとても素晴らしい発想だと思います。
ようやく社会がその流れになってきたのかと大変うれしいです。
ただ、一括りに「障害がある子とない子が一緒に学ぶのが一番」と
するのではなく、それぞれの障害に合わせた支援があっての
事だと思いますし、おっしゃる通り支援員の皆さんが
しっかりと支援できる態勢になっているのかが問われますね。

普通学級でも学べるようになるということは、
養護学校(学級)で学ぶという選択肢もある訳ですし、
ようやくつかんだこの選択肢を十分に考慮して、
子どもたちにとってベターな所で学べるように
してほしいと思います。

投稿: じまぁ | 2007年2月28日 (水) 11時58分

コメントありがとうございました。
じまぁさんならではのコメントですね。嬉しいです。
そういえば、じまぁさんにずっと以前取り上げていただいた私の本(かなり古くなってしまいましたが)では、私は「分けること」を批判しています。私は、なんでもいいから「統合」「分離」という発想自体を批判したのですが、「インクルーシブ」の意味を社会(特に教育現場)がきちんと理解しないといけないですね。一緒に頑張りましょうね!

投稿: マンデリン | 2007年2月28日 (水) 22時25分

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