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2006年11月 3日 (金)

自立支援法の影響は「極めて低い」のか?

厚生労働省は10月23日、「2006年4月から実施されている障害者自立支援法で定めた応益負担の導入に伴いサービスの利用をやめた人の割合は0.39%にとどまっている」とする調査結果を発表。そして、応益負担による影響は「極めて低い水準」としています。

にわかに信じがたい数字です。

厚生労働省の発表に対して、障害者団体の連合体であるDPI日本会議が次の見解を発表していますので、参考のため転載いたします。

<厚生労働省発表「障害者自立支援法の実施状況について」に対するDPI日本会議の見解>

 厚生労働省は10月23日に今年4月から実施されている障害者自立支援法で定めた応益負担の導入に伴いサービスの利用をやめた人の割合は0.39%にとどまっているとする調査結果を発表し、応益負担による影響は、「極めて低い水準」とした見解を発表した。
 しかし、私たちは、「問題なし」とした厚生労働省のこうした見解及びその根拠とした調査内容に対して以下のとおりの疑問を持つとともに、しっかりと実態をふまえた施策の見直しを求める。

1.調査発表に伴う基礎データは、26の府県が公表しているデータをまとめたものであり、調査期間の不一致等、それぞれが独自の判断で実施していることから、これを集計して共通結果とすることで実態を把握したとする厚生労働省の見解に疑問を抱くとともに、12県を除外し、14県のデータだけとしていることに疑問を抱くものである。

2.調査結果は「通所・入所施設等において」となっており、在宅サービスにおける利用中止・利用抑制は対象となっていない。特に入所施設の場合、そもそも施設サービスは代わりになる地域支援なしに利用を止めるのは難しいサービスであることから、利用者が直ちに減少につながりにくい。

3.他方、DPI日本会議の調査では6月時点ですでに1割が利用抑制の結果が出ている。また、大阪府が行った今年の3月と5月の比較では身体介護で12.2%の利用時間減、移動介護では利用者が3.1%に当たる200人以上も減っており、その結果、平均利用実績額が1割以上の減となっている。このような大きな影響が出ている在宅サービス部分のについての結果を明らかにしていないのは、恣意的ですらある。

 以上のように、今回の結果をもって「影響は極めて低い水準」とするにはあまりにも無理がある。厚生労働省として、障害当事者団体及び関係団体と協議して調査項目及び調査回数と時期を定めて実施することを求める。
 現在、各政党は障害当事者団体及び関係団体の声を受け止め、与野党ともにこの制度の問題を意識し、その改善を図る姿勢が現れている。しかし、その所管省庁である厚生労働省にそうした姿勢を感じることはできなく、むしろこの制度の見直しを拒否する、頑なな姿勢を感じざるを得ない。
 かつて厚生労働省は、障害者の声を正面から受け止め、それを支援する政策・制度の創設に力を注いできた。そこには、私たち障害当事者と議論し、時には、緊張関係をもちながらも日本の障害福祉を確実に積み上げてきたものであった。
 今、私たちは、あらためて厚生労働省が、日本の障害者施策を担う省庁としての私たちの声に向き合うことをここに求める。

2006年10月26日

DPI(障害者インターナショナル)日本会議

【参考資料】DPI日本会議「厚労省発表ここが疑問」(PDFファイル)
http://dpi.cocolog-nifty.com/vooo/files/061026gimon.pdf

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