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2006年10月20日 (金)

利用者は「人質」か?

「子どもを施設に人質に取られているようなものだから・・・」

これは、ある障害を持つ人の父親の発言です。

最近、通所施設を利用する障害を持つ人の母親から、施設での職員の対応についての相談がありました。

施設職員の不注意で子どもがケガをしたが、病院の費用を施設職員の言われるまま子どもの保険証で払ってしまった。これは施設側のミスなのだからおかしいのではないか?という内容でした。

どちらを使っても本人負担はかかりませんが、「責任」の所在の問題です。

また、話を聞くうちにもう一つの問題が浮かび上がってきました。

この施設は公立民営の施設なのですが、事故の事実について行政に連絡がされていなかったのです。

今回の事故、初めてではありませんでした。同じ方に対して、数ヶ月前にも職員の不注意から同様の事故が起きていました。

そのような背景があって、母親は施設側に対して設置者である行政に報告をするよう求めたのですが、それがもみ消されてしまっていたのです。

母親が行政に直接話すという方法もありますが、とりあえず施設の自発的な報告を促したのです。しかし、施設は報告を上げませんでした。

そこで、母親は行政の担当者に直接報告をしようと夫に相談をしたところ、「施設との関係を悪くしたら子どもに何をされるか・・・。子どもを人質に取られているようなものだから・・・」と消極的だったそうです。

どうしたものかと私に相談をしてきた訳です。

医療費の保険の件も、設置者への報告の件も施設の取るべき対応は誤っています。そればかりか、1度目の事故の後、再発防止策を何ら取っていませんでした。

このままでは利用者の安全も確保できません。施設にも再度申し入れを行い、それでも対応がない場合は設置者である行政に報告するようアドバイスをしました。その後、施設は行政に報告を上げ、再発防止に向けた取り組みも約束したそうです。

現在、高齢者施設も障害者施設も「措置」ではなく、「利用契約」の制度となっています。施設と利用者は理念上は対応であり、問題があれば改善を申し入れることはサービス利用者の権利です。

しかし、父親の発言のように、まだまだ「人質に取られている」「お世話になっている」という感覚が多くの保護者に残っています。

今回の場合、母親が父母会の役員として積極的に活動されている方でしたので事故をうやむやにせずに訴えましたが、父親のような考え方の方が多数だと考えると・・・。

利用者とともに保護者の権利意識を高めなければと痛感しました。

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