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2006年9月27日 (水)

介護殺人を考える

このところ認知症の家族介護に疲れたことによる殺人事件や無理心中が増加しています。この夏は特に多かった気がします。

今年4月に神奈川で起こったある事件もそうでした。26日にその判決が出ましたが、やはり考えさせられる事件です。

相模原・認知症の妻絞殺:介護の夫に懲役5年 殺害の葛藤明らかに--地裁 /神奈川

 ◇殺害までの葛藤明らかに
 今年4月、介護していた認知症の妻(当時70歳)を絞殺したとして、殺人罪に問われた相模原市、無職、A被告(71)に対し、横浜地裁は26日、懲役5年(求刑・懲役8年)を言い渡した。判決で、介護に限界を感じた被告が周囲に相談をしながらも追い詰められ、43年間連れ添った妻を殺害するまでの心の葛藤(かっとう)が明らかになった。この夏も介護殺人が相次いだ県内。追い詰められた介護人をどう見つけ出し、支えるか。相次ぐ事件は問う。
 判決などによると、A被告の妻チヨノさんは02年ごろから物忘れがひどくなり、05年3月に日常会話がほとんどできなくなって認知症と診断された。
 A被告は同年5月ごろから、月1回の訪問看護などを利用するようになったが、妻が夫以外の介護を拒絶。仙宅被告は同居している長女らにも迷惑をかけまいと考え、1人で介護をした。
 今年に入ると妻の症状が悪化。不安感を増したA被告も不眠に苦しんだ。介護に限界を感じて子供に援助を求めたが、過度に負担をかけることをためらい、任せきれなかった。
 今年1月中旬以降、介護施設職員に特別養護老人ホームなどの利用を相談し、4月にショートステイの予約をとったが、妻が夫以外の介護を嫌がることや経済的負担を考えてためらい、自らの体調悪化にも悩み、4月中旬には妻と無理心中するしかないと考え始めるようになった。
    ■
 A被告は4月22日午後2時ごろ、妻が自宅を訪れた妹すら思い出せなかったことにがく然とし、無理心中を決意。家族に迷惑をかけるため外で殺そうと企てた。
 妻に睡眠薬を飲ませ、車に乗せて殺す場所を探したが、元気だったころの妻との生活を思い出し、殺害できないまま帰宅した。
 だが、午後9時すぎ、今後の介護を再び悲観。同20分ごろ、寝ていた妻の首を電気コードで絞め、窒息死させた。

   <以下省略>   (毎日新聞9月27日 神奈川版)
   ※被告名はマンデリンがAとしました。

自分が被告と同じ立場ならどうだろうか?考えてしまいます。

「老老介護」の状態で、配偶者以外の介護を拒否するケースはとても大変です。福祉や介護の知識がない家庭の場合、なおさらです。たった数年で認知症が進んでしまい、支援を求められなかった今回の事件の場合、周囲が早めに気付くことが求められますが、現実は難しいものです。

今回の事件のように、介護者の真の心の内を理解するのは容易ではありません。特にただでさえ忙しいケアマネジャーが介護者の心を理解し、共倒れを防ぐことは業務以上の役割が必要になります。サービス現場の職員の質も高くなければ「夫以外の介護を拒否」することを改善することも困難です。サービスを利用しても、結局は再び利用を諦めることになってしまうかもしれません。

介護保険制度では、「措置」ではなく「契約」ですから、サービス利用の強制はできません。介護に追い詰められながらも「絶対にサービスを利用しない!私が最後まで介護する!」とのケースを克服しなければ、このような事件は減らないでしょう。ではどのように克服するのか?まだ月並みな方法しか思い浮かばないのが私の限界です・・・。

皆さんはどう思われますか?

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